谷崎 潤一郎 "春琴抄"
今年の目標に向けて順調に読書中。
昨年、秋ごろから急に谷崎をよみたくなり徐々に読破中。
中高生のころ、父親に「文学を読め!」と何度も云われたのですが
全く興味が持てなかったのは、その頃特有の親への反抗か
文学=教科書=つまらないという先入観なのか。
この物語は、幼くして盲目になった三味線奏者 春琴と
彼女に献身的に仕える丁稚の佐助の物語を伝記形式で綴る小説。
伝記的な形式で書かれている為、展開が見えず冗長なため
最初はページが中々進まないが
徐々にこの小説の世界に引き込まれていく
なんとも、倒錯した二人の関係なのだが
最も秀逸かつ朗読したいシーンは、賊により春琴の美貌が損なわれ
佐助が自らの視力を断った後、己の師匠こと春琴にそれを報告するシーン。
なんとも耽美主義的なくだりは是非声に出して読んでいただきたい。